雑木林の林縁のシダ植物

ゼンマイ
明るい林縁にふつうに生え、しばしば群生します。
春になると、まず胞子を付ける葉を出します。続いて胞子を付けない葉が開きます。
この葉の若芽は食用にします。葉の長さは 1.5 mにも達し、冬には枯れます。
川崎市では全区に生育しています。


ウラジロ
葉の裏が白いことからこの名が付きました。正月飾りに使用します。
福島〜新潟以南の暖地の斜面に群生するシダですが、川崎市では 1 区 1 ヶ所でのみ確認されています。
ウラジロが生育していることは川崎市の自然の多様性を示しています。


マメヅタ
長さ 1.5 cm くらいの丸い葉と長さ 3 pくらいの細長い胞子を付ける葉があり、空中湿度の高いところの石垣や樹幹に着生します。
川崎市では北部 4 区の森林が残されている場所で確認されています。


カニクサ
シダ植物では珍しく葉がつる状に伸びて、他の植物などに絡みつきます。
長さが数mに達することもありますが、これは一枚の葉です。
日当たりのよい雑木林の林縁などに生え、川崎市では全区で見られます。
子どもがカニを釣って遊んだことから「蟹草」と名付けられ、つるでリースや籠を作るほか生薬としても用いられています。


オウレンシダ
葉の長さ30pほどの夏緑性のシダで、細かく切れ込んだ柔らかくかわいい葉をつけます。
山地や石灰岩地域にみられ、敷石のすき間にも生えます。
川崎市では北部2区でわずかに確認されています。


ホシダ
葉の長さ80cm前後の常緑性のシダで、全体に毛があります。
葉の先端が穂のように伸びるのでこの名が付きました。
根茎は長くはい群生します。
丘陵地の日当たりのよい林縁や道端に生育し、川崎市では全区で確認しています。


ワラビ
葉は長さ1.5mにもなる大型の夏緑性のシダです。
身近なシダで昔から食用にしたり、根茎から澱粉(わらび粉)をとりました。
丘陵地の明るい林縁に生え、川崎市では北部4区のみで確認しています。


ヘビノネゴザ
葉の長さ50cm前後の夏緑性のシダです。
葉を四方八方に広げた姿が、蛇が寝るのによい場所であるとの連想から和名が付きました。
丘陵地の明るい林縁に生え、川崎市では川崎区以外の6区で見られましたが、2000年以降は北部4区のみで確認しています。


オオハナワラビ
葉の長さ 50cm前後になる冬緑性のシダです。
夏の終わりに一枚の葉を出し、共通の柄から胞子葉を伸ばして胞子は秋に熟します。
ハナワラビ類は胞子をつける立ち上がった胞子葉を花に見立てて名付けられました。
オオハナワラビは栄養葉の辺が鋭い鋸歯状で、やや明るい湿った場所に生えます。


フユノハナワラビ
小型のハナワラビ類で葉の長さ25cm前後です。
冬緑性で、胞子は秋から冬に熟します。
オオハナワラビに似ていますが栄養葉の辺の鋸歯が鈍く、より日当たりのよい林縁を好みます。


コタニワタリ
葉の長さ20〜50cm。温帯気候を代表するシダ植物で、ふつうは標高1000メートル以上の温帯林の林床に生育します。
局所的とはいえコタニワタリが生えているという事は、川崎市内に多様な環境が残されていることを表しています。
【RD】神奈川県絶滅危惧IA類 (CR)


クモノスシダ
石灰岩地に多いシダ植物ですが、川崎市では石垣に生育しているのを確認しています。
葉の長さ5〜15pで、岩に着生し葉を四方に伸ばします。長く伸びた葉の先に不定芽が出来て着地し、新しい株になります。
写真には丸い葉を 4〜5 枚付けた子株がいくつも写っています。このような姿を蜘蛛の巣になぞらえてクモノスシダと名づけられました。


ゲジゲジシダ
葉の長さ20〜50cmの夏緑性のシダで全体に毛が多く、葉が切れ込む様子が節足動物のゲジゲジに似ていることから名付けられました。
多摩丘陵のやや明るい林下から日当たりのよい林縁、崖、石垣に群生する様子がふつうに見られます。加瀬山のある幸区と北部4区で確認しています。


トラノオシダ
葉の長さが20cm前後の小型の常緑性シダです。
根元から地面に広がる葉と、細長く直立して胞子を付ける葉を出し、全体として花束のような形の株を作ります。
この立ち上がった葉が虎の尾に見えるのでこの名があります。
川崎市では全7区に生育し、丘陵地の日当たりのよい崖地や石垣のほか路傍や生垣の下などにも生えています。


コモチシダ
日当たりのよい崖に生育し、長さ2mにもなる大型の葉が垂れ下がります。
葉面に無性芽(子苗)を付けることから名付けられました。
その様子を一度目にしたら、コモチシダの名を忘れることはないでしょう。
川崎市では北部3区で確認されています。

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