多摩川中下流の河原、岸辺

ロ)河原や土堤の植物

ノイバラ
花期 5〜6 月。
よく枝分かれした茎は 2 mくらいになります。枝先に香りのよい白い花をたくさんつけます。
秋に赤い果実を多くつけます。
多摩川の河原、丘陵の林縁などで見られます。 
園芸用品種のバラの台木にされています。


ハマダイコン
花期4〜6月。
海岸の砂地に生育する植物ですが、臨海部の埋め立て地や多摩川河口から中流域の河原、土手などに群生しています。
花弁は 4 枚、紫色をしています。根は大きくならず、硬く辛く食用にはなりません。


ゴキヅル
花期8〜10月。水辺に生えるつる性植物。
果実はふたを合わせたように上下に二つに分かれます。
川崎市内では少なく多摩川河原での一か所に見られます。


ハ)河原や土堤の植物(外来種)

セイバンモロコシ
花期8〜10月。
地中海沿岸原産外来種。
高さ80〜200p。
戦後関東地方で見いだされ、全国的に急速に広まった。
地中に長い根茎をのばして増え、大群落を作っています。
多摩川の土手は一面この種で覆われています。
その他路傍、空き地などにも生えています。
※外来種


アレチハナガサ
花期7〜9月。
南アメリカ原産外来種。
1957年ごろから定着が記録されています。
草丈60〜120p。茎は直立して4稜あり、茎の先で分枝し穂状花序を多数つけます。
多摩川の河原や道端、空き地などに多く見られます。
※外来種


アレチウリ
花期8〜9月。
北アメリカ原産外来種の大型のつる植物です。
1952年に静岡で見いだされ、強い繁殖力で広まりました。
多摩川の河川敷に大群落を作っていましたが、一時駆除活動が行われました。
大群落は少なくなりましたが、まだ多摩川の河原や市街地の藪などに生えています。
花の跡毛とトゲのある果実をつけます。
※特定外来生物


ヘラオオバコ
花期5〜8月。
ヨーロッパ原産外来種。
江戸時代末期に入ってきたといわれています。
花の形がへら型なので名がつきました。
多摩川の土手に群生していますが、その他空き地、路傍、畑などいたるところに生えています。
葉はすべて地面近くに集まってつくの根生葉で、葉の間から茎をのばし円柱形の花序を出しています。
繁殖力が強い。
※外来種


オオカワジシャ
花期5〜7月。
ヨーロッパ、アジア北部原産外来種。
水辺を好み、多摩川などで大株になり増えています。穂状の花序をだし薄紫色から
白色の花をつけ、花はきれいですが繁殖力が強い。
※特定外来生物


イガオナモミ
花期7月〜10月。
原産地は不明ですが、アジア、アメリカ、オーストラリアに帰化している外来種。
草丈50〜100p。
果苞に密についたトゲにさらに鱗片状の毛があり触ると痛い。
主に多摩川の河川敷、土手に生えています。


メリケンガヤツリ
花期8〜10月。
熱帯アメリカ原産外来種。
カヤツリグサ科。
草丈30〜80p。
日本には1950年代に入ってきたといわれています。
種子と根茎で繁殖しています。
河原、水辺、畑、溝などに生えています。


ナヨクサフジ
花期5〜6月。ヨーロッパ原産。茎は枝分かれし他のものに絡んで広がっていきます。
飼料や肥料として栽培されていたものが、野生化し畑の周辺や、市街地路傍、空き地などに生えていますが、多摩川の河原に大きな群生が見られます。



ニ)河原の昆虫
多摩川の氾濫原である河原にはトノサマバッタ、クビキリギスなどが棲息しています。


トノサマバッタ
トノサマバッタは河原などの日当たりが良く、食草となるイネ科植物の多い草地に棲息しています。


クロトゲハムシ
体長5ミリ未満の小さな甲虫ですが、特徴ある形をしています。
ススキやオギの葉を食べ、市内では主に多摩川に見られます。


ヒガシキリギリス
よく知られている昆虫で、夏の暑い時季に鳴き声を聞くことができますが、藪の中に隠れているため、姿を見つけるのは簡単ではありません。
市内では主に多摩川に生息し、埋立地にも生息地があります。
最近日本の東西で2種に分かれることが明らかになったため、関東に生息するものはこの名がついています。


ジャコウアゲハ
黒っぽいアゲハチョウの中では比較的細長い翅を持ち、緩やかな飛翔をするのが特徴です。
幼虫の食草はウマノスズクサで、これが生える多摩川の堤防周辺では比較的確実に見られ、耕作地脇の草地にも生息しています。
写真は雄で腹部が赤くなり、雌は雄と異なり翅がより白っぽい色をしています。


ブタクサハムシ
近年急増している北米原産の外来種。
主に多摩川の草地で、オオブタクサの葉についているのが観察できます。


カワラバッタ
植物があまり生えていない、石や砂におおわれた河原に住んでいるバッタで、体の色も石にそっくりです。
川崎では近年の記録がなく絶滅したと思われていましたが、2007年の大洪水により上流から流されてきたと考えられる個体が、その後数年市内で発生しました。
近年外来植物の繁茂により生息環境が変化して再び減少し、確認が難しくなっています。


カワチマルクビゴミムシ
河原の砂礫地に生息する捕食性甲虫で、ふだんは石の下などに隠れています。
黒くて平たい体に、黄褐色の縁取りがあるのが特徴です。


ギンイチモンジセセリ
幼虫はススキの葉を食べ、成虫は年3回発生します。
春に出現する個体には、写真のように翅に銀色の筋が現れるので、この名があります。
草原性の種類で、信州などでは高原に生息しますが、東京周辺の河川草地でかなり見られるのは特徴的なことでした。
ここ10年の間にかなり少なくなりましたが、原因ははっきりわかっていません。

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