里山の自然学校2022
第04回《ホタル観察》

【2022/6/19 更新】

日時 2022年 6月19日(日) 16:00〜21:00 晴
場所 生田緑地ホタルの国
参加(里山の自然学校 3年生)池上豪一郎、房安弘太郎
  (里山の自然学校 2年生)久保田あかり、柴田綾乃、畠山泰知、吉田絃
  (里山の自然学校 1年生)安達湊都、塩田采央、辻 伊晴、
              石垣来花、伊藤奏人、井上和音、川口珠璃、河村桧弦、
              久保田隼人、小林紗羅、北條真海、山内貴心
                         18 名( 3人欠席)
講師(事務局) 岩田臣生、岩田芳美     
応援      伊澤高行
卒業生サポーター 小野寺花柑、佐藤天音、原田天雅
総勢 24 名

第 4回里山の自然学校は、ホタル観察です。
市民活動室に集合してから、まず、前回持ち帰ったヤゴの羽化状況について報告してもらいました。
殆んどがアカトンボ型のヤゴだったせいか、持ち帰ったヤゴの数を数えていない子が殆んどでした。
この 2週間で、1匹も羽化していない子もいれば、全て羽化した子もいました。
子どもたちが持ち帰って、羽化させたアカトンボは 60匹でした。
1匹採集できたヤンマ型はギンヤンマですが、これは羽化したことをメールで報告していただきました。
シオカラトンボのヤゴは、羽化数は 3匹でした。
その他の放流したヤゴについては追跡できませんが、自力で羽化した個体は、川崎の空に飛び立ったと思います。

それから、スライドを使って、生田緑地のホタルについての座学を行いました。
ホタルとは何か、生田緑地のホタル、生田緑地の湧水、水辺の生物などについて、話しました。
その後、トイレを済ませてから外に出ました。
まず、ホタルブクロの観察を行いました。

閉鎖管理されているホタルの国のゲートから中に入りました。

この日は天候に恵まれて、晴になりました。
谷戸に降りる階段は、まだ完全には乾いていませんでした。

ピクニック広場辺りから、子どもたちの目は生きもの探しを始めました。
成長を始めたツリフネソウの葉上に、次々に、オオコシアカハバチの幼虫が見つかりました。

クロイロコウガイビルが見つかりました。
ドクダミの花が咲いていました。
チャタテムシの仲間など、小さな、小さな虫や、蛹からなどを見つけて、これは何かと尋ねてくる子がいましたが、姿を確認することすら困難なものが多くて困りました。

キボシカミキリがいました。

集合写真を撮りました。

しかし、のんびり休憩しているわけにはいきません。
夕方の自然観察では外せない、ミドリシジミが卍飛翔している場面を実際に観察しました。
ここのハンノキは、4匹でした。

谷戸の末端のハンノキも観察しておくことにして、道を急ぎましたが、途中で、何か生きものを見つければ、後回しにすることはできません。

ツリフネソウの葉上に、セスジスズメ(蛾)の幼虫がいました。
田圃の苗を横目で見て、ヨシ原地区に急ぎました。

ここのハンノキは、10匹ほどのミドリシジミが、いくつものグループに分かれて、飛び回っているのを観察しました。
どちらも、1匹ごとの個体観察はできませんが、この時間帯に、ハンノキの周りを忙しく飛び回るチョウは他にいないでしょう。

皆がミドリシジミの卍飛翔を観察している所で、傷んだ階段の手摺の上に、小さな、小さな生きものを見つけている数人がいました。
雨の多い時期に発生するのか、偶に、見つかることがあるチャタテムシの仲間などです。

ホタルが光り始める前に、お弁当を済ませるために、梅の木広場に向かいました。

途中、ヒメコウゾの実の赤色に呼ばれて、味見する子が現れました。
ヤマグワの実を初めて食べた時は、汚いとか言って、尻込みしていた子どもたちが、進んで食べてみるようになったことは驚きでした。

田圃の苗の状態を見て、自分が植えた苗の状態が気になった子もいました。

木道脇の葉上に、ニホンカナヘビがいました。
梅の木広場周辺で、お弁当にしましたが、草地は湿っていたので、木道の上が人気でした。
この日のホタルの国にいるのは私たちだけのはずなので、来園者の通行に配慮する必要はありません。

お弁当を食べながら、空を見上げると、10羽以上のツバメの群が高い所を飛び回っていました。
また、時々、頭の上をヤンマの仲間が数頭飛び交っていました。
もう、暗くなっていましたが、間近に見たヤンマの眼は緑色に見えました。

お弁当が済んで、ヤンマが飛んでいると騒ぎだしたら、自然観察が始まりました。

ホタルが光り始める前に、一度、トイレに行っておいた方が良いと考え、全員に声をかけました。
ホタル観察が始まったら、トイレに連れて行かないと伝えたのでしたが、同行したのは 11名でした。
生田緑地整備事務所のトイレが使えるように、事務室に誰か居るようにすると言ってくれていたので、事務所のトイレを使いました。
子どもたちは、トンボがいると叫びましたが、トイレには、ミカドガガンボがいました。
ミカドガガンボは、国内最大のガガンボです。


トイレを済ませて、谷戸へのゲートを開けて、全員がいることを確認して、谷戸に降りました。
萌芽更新地区下まで降りた所で、梅の木広場に残った事務局から電話がありました。
「変な男が入って来て、ベンチに座っている。皆が恐がっている。警備員を読んでほしい。」と言うのです。
そこで、子どもたちを梅の木広場に向かわせておいて、私は事務所に戻って、事務室にいた越智さんに状況を伝え、警備員への連絡を頼み、急いで、皆が待つ梅の木広場に向かいました。
変な男というのは大きなヘッドホンをつけていましたので、大きな声をかけても聞こえない様子でした。
そこで、ヘッドホンを外させて、事情を聴きましたが、閉鎖管理されていることを知らなかったと言い張るので、このことを説明し、退出をお願いし、戸隠不動口への階段の所まで同行し、 そこに到着した越智さんに後を任せて、皆と合流し、里山の自然学校<ホタル観察>を続けました。

さて、いよいよホタル観察です。
卒業生サポーターが 3人いましたので、この 3人を班長にして、三つの班に分け、班毎に、ホタルの出現数を調査することにしました。
数え方は、班長さんに任せました。
調査中、賑やかな班も、静かな班もありましたが、各班の構成と調査結果は次の様になりっました。
@小野寺花柑、石垣来花、川口珠璃、久保田あかり、小林紗羅、北條真海、山内貴心
  出現数 55匹
A佐藤天音、安達湊都、池上豪一郎、伊藤奏人、井上和音、畠山泰知、房安弘太郎
  出現数 35匹
B原田天雅、河村桧弦、久保田隼人、塩田采央、柴田綾乃、辻 伊晴、吉田 絃
  出現数 55匹

頼もしい班長さんのお蔭で、岩田は一人でホタル調査を行えました。
その調査中、下の田圃附近で、新たに入って来た若い男女に出会い、閉鎖管理していることを説明し、退出してもらいました。
この二人は、戸隠不動口の閉鎖してあるフェンス・ゲートの脇から入ったので、そこから出ると言い置いて、階段を上って行きました。
その後はホタル調査を続けてから、皆と合流し、ハンノキ林上のデッキで、調査結果や感想を聴かせてもらいました。
岩田が子どもたちを連れてトイレに行っていた間、残った子どもたちはアブラコウモリの観察をしていたようです。
岩田が調査したホタルの出現数は 64匹
そして、21時近くなったところで、出口ゲートに向かい、ゲート前で解散して、西口と東口に分けて送り、この日の活動を終了しました。

里山の自然学校のスタートページ

特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation