里山の自然学校2021
第02回《田植え》

【2021/5/30 更新】

日時 2021年 5月30日(日) 10:00〜15:00 晴
場所 生田緑地 市民活動室、生田緑地
参加(里山の自然学校 3年生)佐藤天音、軸丸朝咲、原田天雅
  (里山の自然学校 2年生)佐藤弥里、加藤帆乃果、房安弘太郎、玉木 遥、池上豪一郎
  (里山の自然学校 1年生)森弥太郎、青木いろは、柴田一花
              村尾春樹、久保田あかり、柴田綾乃、須貝愛桜、舟越 葵、宮本琴羽、吉田 絃
       19 名
講師(事務局) 岩田臣生、岩田芳美     
サポーター 工藤思由、小野寺花柑      
水田ビオトープ班 東 陽一、伊澤高行、岩渕裕輝、加登勇司、北川英樹、鈴木潤三、政野祐一
    合計 30  名

今年の稲は、キヌヒカリ 2kgを 4/5(月)に浸種し、4/15(木)、育苗箱 10 枚に播種して、マンションのベランダで育ててきた苗です。
強風に煽られて、いじけた部分もありますが、子どもたちが田植えを楽しむには十分な苗に育てられたと思います。
苗を育苗箱から外して、バケツなどに入れて、土が落ちないようにして、田圃まで運びます。


田植えを行う田圃は、上の田圃の上の段(2005年に再生した田圃)、上の田圃の下の段(2006年に再生した田圃)、下の田圃(2004年に再生した田圃)の 3 枚です。
下の田圃は、水田ビオトープ班が活動を開始することになった田圃で、最初の田植えは、北部公園事務所や、青少年科学館の職員も参加して、お祭り騒ぎとなりました。
しかし、このような進め方は継続的な市民活動としては適切ではないと考えて、子どもたちが田植えや稲刈りを行う田圃にすることを考えました。
そして、2005年 5月に、里山の自然学校を開校し、以来、里山の自然学校として、田植えを行ってきました。
田圃が 3 枚あるとは言っても、下の田圃は、田圃状の水域として、ここで生活している生きもの棲息環境を保全することが最も大切な目的と考えていますので、 田植えを行わなかった年もあったと思います。

今年は、里山倶楽部の活動で生田緑地に通うようになった、パワフルな "おじさん" 5 人を加えた水田ビオトープ班の団員が、子どもたちの田植えのために応援参加をしてくれました。
また、里山の自然学校 3 年生のお姉さん二人が、上の田圃の上の段は、自分たちに任せて大丈夫ですと言いだしてくれたので、昨年の田植えに参加できなかった一人を除いた 2〜3 年生 7 人にお願いし、 細かいことには、口を出さずに、この二人に任せました。

こうして、残りの 12 人で、下の段の田植えを行うことになりました。
子どもたちは、裸足で田圃に入るのですが、今までだと、それだけのことが大変で、田植えのための目印テープの前に並んで、植え始めるまでに時間がかかっていましたが、 今年は、畦から田圃に降りる時に、手を貸してあげるだけで充分で、「こんなに深いの!」という声はありましたが、比較的スムースに進められました。
そんな、子どもたちの周りを、シオカラトンボが飛び回っていましたが、オニヤンマでも追い払うシオカラトンボでも、子どもたちを追い払うことはできません。

(上の田圃の上の段)


(上の田圃の下の段)


ニホンカナヘビが、田植えを見ていました。


(下の田圃)
上の田圃の上の段の田植えを終えたメンバーが、続けて、下の田圃の田植えにかかりました。
ツバメが巣作りのための泥を摂りに来ていて、田植えを始めても、度々訪れ、多い時は、10 羽ほどが、10mほど上空に群れることもありました。
田植えをしている子どもたちの周りを、シオカラトンボやオオシオカラトンボ、コミスジ、ルリシジミ、時には、クロアゲハが飛んでいました。
下の田圃には、ミゾソバが生えてきていましたので、田植えを行いながら、ミゾソバを抜く活動も行いました。
田圃の中の北側は水があるのに、南側は水が無いという状態で、水が無い所では、足の抜き差しが重労働で、苦労しているようでした。
しかも、水は土嚢堰を越えておらず、どこかに抜けているように見えました。
そこで、畦の上に転がしてあったヨシを、水漏れを起こしていると思われる所に押し込んで、水漏れ量を減らして、水位を上げるようにしました。



(上の田圃の導水路)
水環境調査用につくった土嚢堰で、水を汲んで、手足を洗いました。
水汲みでは、卒業生サポーターが活躍しました。


応援参加の"おじさん"たちが帰り始めたので、急いで、残っていた"おじさん"たちの集合写真を撮りました。


できるだけ、離れ離れになって、黙って、お弁当を食べました。
オニヤンマが飛んでいました。


3 枚の田圃の田植えが済みましたので、食後は、少しのんびりとした自由時間をとりました。
田圃の水は一向に増える様子がありません。
辺りの状態を少し観察しておこうと思ったら、数人の子が着いてきました。
田圃の水が急減して、オオアメンボの姿が見えなくなったので、どこか、別の水辺に飛んで行ったのだろうと思っていたオオアメンボが、田圃の上の水路にいました。
近くに、ヤスマツアメンボや、シマアメンボがいましたので、その大きさの違いは実感できたと思います。
神奈川県の準絶滅危惧種です。

木道を歩いていて、ヤマサナエや、ラミーカミキリに出会いました。
ヤマサナエは、神奈川県の(絶滅危惧)要注意種です。
ラミーカミキリは、幕末〜明治の頃に、東南アジアから侵入してきた外来種とされていますが、緑白色と黒のコントラストが鮮やかなカミキリムシです。
「きれい!」の声が発せられましたが、直ぐに、飛んで行ってしまいました。

スジグロボタルが、ミヤマシラスゲの葉上に見つかりました。
神奈川県の準絶滅危惧種です。
この辺りでは、里山の自然学校の田植えの時期に出会えます。

ジョウカイボンや、アオジョウカイにも出会いました。

ヨシがすっかり大きくなっていましたので、先端の葉を取って、ヨシ笛をつくってみました。
コロナ禍では、吹くのは、問題だったかな。

市民活動室に戻る前に、集合写真を撮りました。

帰り道、ハンノキの幹で、ヤマトクロスジヘビトンボに出会いました。
ヤマトクロスジヘビトンボは、棲息場所の水がきれいなことを示す生物指標になっています。



感想文を書いてもらいましたが、早く書けた人には、今日、出会った生きものをあげてもらいました。

感想文は、一人ずつ、発表してもらいました。


《田植えの感想》

AI
今回もきちょうな虫を見れてよかった。
田うえは初めてで、きんちょうしたけど、おじさんたちが手助けをしてくれたおかげで、うまくできた。
土が多くて、つかれたけれど、とっても楽しかったです。
FuAo
イネを植える時、足がぬまにはまって、大変でした。
だけど、コツをつかめば、スムーズにできるようになったので、うれしかったです。
トカゲも見れたので、うれしかったです。

FuKo
今回の田うえは、前は一番あさいところでしたが、2年になりふかいところができ、前よりむずかしく、大へんでしたが楽しかったです。
むずかしかったところは、水が多く、うえにくいし、うごきにくかったけれど、前よりやりがいがありました。
ツバメにびっくりしました。

HTe
田植えでは、1年生のみんなは、うまくいっていなかったり、2年生や3年生は深い田んぼで苦せんしていましたが、こうしてきれいにうえられて良かったです。
また今日は、田うえをおわった後でも、オオアメンボやスジグロボタルの成虫など、めずらしい生きものがみられて良かったです。
けれど、みれていない人もいたので残念でした。
また、この後には、いねかりやだっこくなどもあるので、そこに向けて育ってほしいと思います。
なので、みなさんでがんばり、おいしいお米を作りましょう。

HTa
田うえが楽しかった。
理由は、田うえは2回目だったけど、むずかしかった。でもがんばった。
みたことない植物、生き物などをみて、よかった。
田うえを足がぬけなくなりそうでもがんばってできた。
ふかいところがすごく大へんでした。
楽しかったです。

IGo
今回は2回目の田植えで、前回とちがう田んぼをやりました。
きょ年はだっこくをできなかったので、だっこくをやってみたいです。

JA
今回は3度目の田植えでした。
最初は苗の量がわからず、時間がかかってしまいました。
でも、しばらく続けていくうちに、スムーズに植えることができるようになりました。
みんなで協力して上の田んぼを終わらせて、下の田んぼに行きました。
下の田んぼは、上の田んぼに比べてどろが少なく、水ばかりで、とても植えにくかったです。
暑い中一生懸命植えていくことの大変さを学びました。
そして、今回頑張って植えた苗が、秋、いねかりをするときにどうなっているのか、楽しみになりました。
次回からも、こん虫や植物について、たくさん知っていきたいです。

KaHo
今日の田植えはとても楽しかった。
上の田んぼでは、前回よりおたまじゃくしが減っていて、とてもsびっくりした。
下の田んぼでは、ヤゴやホトケドジョウが、田んぼにいると初めて知った。

KuA
私は田植えをする時に、さい初、ドロに入る時、深くて、とてもびっくりしました。
ひざの所までだったので、あらうのがとても大変でした。
ザリガニもいて、びっくりしました。
これからも、生田緑地のことを知れたらいいなあと思います。

MiKo
田うえをやっていたら、どろや水で歩きにくかった。
カエルやザリガニ、おたまじゃくし、ヤゴなどがいた。
ザリガニはころさなければいけないと知って、悲しくなった。
ツバメが近くて見れた。
次回は、ヤゴのきゅうしゅつ作戦だ。どれぐらいいるか楽しみ。

MoYa
きょうたんぼになえをうえてつかれたけどたのしくできてよかったです。
田んぼはけっこうふかくてびっくりしました。

MuHa
里山の自然学校に入りたかったのは、田植えだったから、今日は、田植えができて、楽しかったです。

SaAma
今日の里山の自然学校は三度目の田植えでした。
毎年、田植えでは、下の田んぼはやらなかったのですが、今年は思いきって、ちょうせんしてみました。
結果は、足がつりました。(笑)
上の田んぼは、毎年やっていたので、スムーズに手早く(そういうか分からないけど)できたかと思います。 むずかしかったのは、水がなく、足がとられたとこでした。
帰り道で食べたクワの実がおいしかったです。
次回のヤゴの救出はできないかもしれないけど、できるなら救出が楽しみです。

SaI
わたしは里山の自然学校二年目ですが、一年目の田植えを休んでしまって、田植えは初めてでした。
一年目の時に稲刈りはしたので、同じだろうとやってみたら、ちがいました。
稲刈りの時は、ある一定の量の稲をかっていたので簡単でしたが、田植えは植える稲が一定の量になっていなかったので、自分の この量だと決めるのが難しかったです。

SiAya
クワの実がおいしかった。
田んぼに赤ちゃんガニやヤゴがいて、びっくりしました。
ザリガニには、赤色じゃないのもいました。
ザリガニはころさないといけないのがかわいそうでした。
田うえでは、ぬかるみにはまって、足をうごかすだけでもたいへんでした。
つぎもたのしみ。

SiIchi
田植えをはじめてやって、ドロドロでいやだったけど、楽しかったです。
クワのみを食べて、こんなにあまいんだなと思いました。
さいしょ、たべれるときいて、本当かなと思ったけど、いがいにあまくておいしかったです。

SuAi
田植えを今日やってみて、田植えって、こんなに大変なんだと思った。
第1回(春の里山)のときは、トンボはいなかったけど、今回はいっぱいいた。(水色のトンボ)
田植えをすると、どろだらけになるし、足場が不安定で大変だった。
前回よりオタマジャクシがへっていた。
クワの実が甘くておいしかった。
ヤマトクロスジヘビトンボがセミみたいでびっくりした。

TaHa
私は里山の自然学校二年目で、一年目の時は、どろに入るのが気持ち悪くて、怖かったのですが、今年はとても暑かったので、どろに入りたいという気持ちの方が強かったので、 すんなり入れました。
一列の分が終わったら、少し時間があまったので、おたまじゃくしを取ったり、ザリガニをつかまえたりしました。
前回よりおたまじゃくしがへっていてびっくりしました。

YoI
今日の田うえは、とてもたのしかったです。
くわのみもおいしかったです。
ほかにも、あじさいやむしなどがみれて、うれしかったです。
田んぼの中にも、アメンボとか、おたまじゃくしなどがいて、こわかったけど、田んぼの中に入ってみると、ぜんぜんこわくなかったです。

以上で、この日の活動は終了しました。

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特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation