川崎の野生生物
カナムグラ

Humulus scandens 
クワ科カラハナソウ属
日本全国、中国、台湾に分布
雌雄異株の1年生ツル植物。 刺があり、茎葉を体に貼り付けて遊ぶことができるが、皮膚を傷つけると腫れることもあり、予想外に大きい被害となるので要注意である。
花期は9〜10月。ビールの苦味に使用されるホップも同じ属であり、雌花序は収穫されるホップを連想させる。
草刈りも大変な苦労を強いられるが、雄花序の花粉は花粉症の原因ともなっていて、嫌われ者である。
ところが、葉、茎、果実は薬用に用いられ、刈り取って乾燥させたものを「葎草(りつそう)」という。 葎草(りつそう)は、健胃、利尿、解熱薬として1日10〜15グラムを0.4リットルの水で煎じて、約2分の1量まで煮つめたものを1日3回服用する。
腫れ物の解熱には、一握りのカナムグラをアルミ箔で包んでフライパンで焼き、黒焼きにしたものを食酢で練って患部に塗布する。
また、たむしには、乾燥したカナムグラの葉を粉末にして酢で練ったものか、生の葉をすり潰した汁を塗布する。

撮影/ カナムグラ雄花序、2007/10/3 生田緑地、岩田臣生 撮影/ カナムグラ雌花序、2007/10/3 生田緑地、岩田臣生


特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation