生田緑地観察会
主催 青少年科学館

生田緑地観察会“里山の自然”

日時 2018/3/11(日) 10:00〜12:00 曇後晴
ガイド講師 特定非営利活動法人かわさき自然調査団 水田ビオトープ班班長 岩田臣生
サポート  特定非営利活動法人かわさき自然調査団 事務局長 岩田芳美
観察会参加者 18人(大人 16人、子ども 2人)
       麻生区 4人、多摩区 1人、宮前区 3人、高津区 1人、幸区 1人
       横浜市 1人、海老名市 1人、東京都世田谷区 4人、町田市 1人、府中市 1人

観察コース:青少年科学館前(集合)〜中央広場北雑木林〜奥の池〜西口園路〜谷戸の降り口〜ピクニック広場東斜面〜萌芽更新地区上の自然探勝路〜 ハンノキ林上のデッキ〜谷間の探勝路〜梅畑〜上の田圃(解散)
2003年度生田緑地整備構想策定委員会による合議は、都市公園生田緑地のテーマを「里山」とすることでした。
その管理方法の一つは薪炭材や落葉を採取するという目的ではなく、自然観察など、都市住民が在来の自然に触れ、楽しむという目的に応えることだと考えています。
その観点からは、実際に観察会のガイドを行い、参加者の反応を知ることは大切だと考えています。

雑木林 A26 は、生田緑地の中央広場止まりとなる多くの来園者に雑木林の魅力を知ってもらいたいと考えて、密生していたアズマネザサなどを刈り、 ヤマツツジなどを楽しめるように管理している雑木林です。
コナラが主な構成種である雑木林についての話などを行いましたが、コナラを知らない参加者に対しては、 傍まで行って、触らせるぐらいのことを行えないと難しいと感じました。
アズマネザサは小さくなっていますが、民家園に植栽された竹が侵出しているのが目立ちました。

メタセコイア林の辺りは 9 日朝の大雨によって流出し、広がっていた泥の片付けが大分進んでいましたが、泥道状態は未だ解消されていませんでした。
樹木が倒れ、表土が流れて、露出することになった飯室層の崖が数ヶ所あったので、これらを観察しました。
こうした出来事の積み重ねが生田緑地の地形を少しずつ変化させているということも、生田緑地の地層や植生を別の視点で知る観察になると考えました。
大雨の後ということで、普段は枯れている所にも水が流れているのに、奥の池は濁っていて、周囲から大量の水が入っている様子はありませんでしたので、 奥の池の改修整備と水質についての意見交換にもなりました。
相変わらず、大きなミシシッピーアカミミガメが数頭、カルガモが 2羽観察されました。
広がった泥と地層の話から、1971年のローム斜面崩壊実験事故についても触れました。

西口園路の湿地付近にミチタネツケバナが咲き始めていました。
広場上方には、カントウタンポポ、ホトケノザなどが咲き始め、ムクドリ数羽、ハクセキレイ 1羽、ハシボソガラス 1羽などが観察されました。
ここから西口に上がる園路沿いには、ユーカリとスズカケノキの大木があります。 外来種ですが、市有地化される前に植えられていたものであり、生田緑地の歴史の証人でもあると思います。 落ちている特異な形状のユーカリの実は参加者に人気があり、気分転換になります。

北側の谷戸に降りました。
ピクニック広場付近では、アオイスミレ、ウグイスカグラ、キブシなどの早春の花を観察できました。
萌芽更新地区付近ではヒメカンスゲを観察し、萌芽更新地区としての管理方法について説明しました。
残っていたノササゲの実、落枝に生えていたタマキクラゲなども観察しました。
コウヤボウキの新芽が参加者の気を引いていました。
ハンノキ林上のデッキで、ハンノキ林について説明し、ハンノキ林上の池のアズマヒキガエルの卵を観察しました。

ミヤマカンスゲ、シュンランなどの花を観察し、フッキソウの蕾を観察しました。
梅畑のウメは見ごろを迎えていました。
上の田圃付近では、オオイヌノフグリやフキの花を観察し、いよいよ田圃です。
蛙合戦の騒ぎは終わって、田圃の水は澄みきって、アズマヒキガエルの卵が広がっている状態がよく観察できました。
ここに広がっているような状態でメスの腹の中から出て来ると思っていた人が何人もいて、田圃近くの木道上でアズマヒキガエル談義になりました。
ジュズダマに気が付いた参加者もいました。
観察していたらアズマヒキガエルが 1 匹残っていることが分かり、子どもたちは傍まで行って観察し、手で触れたりして興奮しきっていました。
気が付くと猛禽(オオタカ?)が上昇気流にのって上空高く上がり、東方向に飛翔して消えました。


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